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IT 資源
このページでは地域のスマート化・DX 化を行うにあたり必要となる IT 資源について説明します。
概要
IT 資源とは、 パソコンやスマートフォン、通信に必要なネットワーク、 ソフトウェアの総称です。 特に Anastasia 地域分析 では、 地方自治体や企業が所有するものを指します。 IT 資源は、 水産資源、森林資源、産業資源、人的資源等と同様に、 定量的、定性的な評価を行うことが求められます。 IT 資源は、地域のスマート化・DX 化には特に重要です。
例えば、導入したい IoT、AI といった技術を活用したサービスの導入を考えます。 サービスを使用するには、前提となる IT 資源があり、使用する前に以下のような点を確認する必要があります。
  • コンピュータは何が必要ですか?
    Windows ですか? Mac ですか? Android ですか? iPhone ですか?
  • ネットワークは整備済みですか? 規格は対応していますか?
    5G、4G・LTE、3G、Wi-Fi、LPWA、LGWAN 等...
  • ソフトウェアの依存関係に不備はありませんか?
    事前にインストールが必要なソフトウェア、インストール済みのソフトウェアのバージョン 等...
  • 前提となる IT 資源がない場合、前提のIT資源の導入にはどのくらいコストや期間が必要ですか? これらの取りまとめを行う人材はありますか?
上記はたとえ Anastasia に限らず、DXの実現のためには重要な点です。 これらの IT 資源を、 ご自身の地域では何を所有していて、何が使用可能な状態なのかを整理する必要があります。 このページでは、これらのIT資源を 「ハードウェア」「ネットワーク」「ソフトウェア」の 3 種類に分類し、整理します。 また、IT に関連するサービスの導入や管理する人材に関して、「 IT 人材」を説明します。
ハードウェア
IT を活用したまちづくりでは、パソコンやスマートフォン等の人間が利用するハードウェアに加え、 センシングのための IoT のデバイス、さらに それらのデータを蓄積するためのデータベース、 分析して活用するためのサーバーが必要です。 現在、日本では クラウドを利用したアプリケーションの導入を推奨しており、実際に普及が進んでいます。 そのため、大量のデータの取り扱いや演算を、手持ちのハードウェア単体で行うことは減少してきました。 しかしながら、より快適に IT を活用したまちづくりを推進するには、時代に合わせたハードウェアの性能が求められます。 そのために、所有しているハードウェアがどのくらい利用可能か確認し、更新のサイクルを決めておくことが重要です。 また、IoT のデバイスは、粒度の高い情報の収集のために、複数台の導入が前提であり、常に生成されるデータに対して適切に管理・運用することが求められます。 管理には、デバイスの正常・異常のチェック、死活監視等が挙げられます。
ネットワーク
ネットワークを IT 資源として管理することは重要です。 新しいサービスの導入を試みる際に、ネットワークが問題になることがしばしばあります。 これらは、サービスの提供を行う側(企業等)と受ける側(自治体等)の前提が異なっていたり、インフラ整備のための準備ができていなかったりすることが原因です。 個人や企業にサービスを導入することと、地域全体に導入することは、考え方が大きく異なる場合があります。 例えば、大量のデータ通信が必要となるサービスを導入し、地域の全住民が利用した場合、地域内の通信量が膨大になり、 帯域不足に陥ることがあります。 他の例では、LPWA 等を必要とするサービスの場合、山奥での利用を想定していたが、圏外で実用できないという問題が発生する恐れもあります。 これらの問題は、事前に資源を把握し、共有することで、サービスを提供する側と受ける側の齟齬をなくし、 導入中や導入後の問題を削減することができます。
Wi-Fi
ネットワーク接続が可能な PC やスマートフォン、タブレット等のデバイスに対して、 無線で LAN(Local Area Network)に接続する技術を意味します。 ご自宅や職場で Wi-Fi をご使用されている方が多いため、既にWi-Fiについては利用方法をご存知の方が多いでしょう。
 地域課題課題のための Wi-Fi 利用に関しては、様々な事例があり、多くの地域に導入されています。 災害発生時に利用可能な Wi-Fi を提供するための防災 Wi-Fi の整備( 参考文献[1]PDF)、 観光客に提供する観光 Wi-Fi の 整備(参考文献[2])は地域で導入する必要があるため、ネットワークインフラ整備と地域課題解決は密接な関係にあることがわかっていただけると思います。
屋内における Wi-Fi スポット、屋外における Wi-Fi 提供においては、規模はもちろんですが、 導入方法が異なりますので、目的に合わせて導入していき、どの地域にどのようなネットワークが普及済みなのか マッピングしていくことが重要です。
IoT エリアネットワーク
IoT はデータ収集の役割を担っており、また何かしらの事象の監視を行う役割を担っています。 例えば河川モニタリング(参考文献[3]PDF) では、IoT デバイスから画像や水位データを取得し、定常状態なのか異常状態なのかを判断するデータとして利用します。
 IoT デバイスは、どの利用可能なネットワークモジュールが搭載されているか 否かによってつながることができるネットワークかどうかが限定されています。
 例えば、
  • 3G、4G、、LTE、5G といった移動通信システム
  • Wi-Fi( Web 認証を含む場合 IoT デバイスとつながらない場合があります)
といったネットワークから、IoT の利用に特化したIoTエリアネットワークが存在します。
 IoT エリアネットワークは、近距離内に無数に設置する IoT デバイスとの通信を 効率良く行うために設計されています。 ここでは、代表的な IoT エリアネットワークについてご紹介します。
代表的なIoTエリアネットワーク
ネットワーク名 日本国内の運営会社
Sigfox 京セラコミュニケーションシステム株式会社 (参考文献[4])
ELTRES ソニーネットワークコミュニケーションズ (参考文献[5])
EnOcean EnOcean アライアンス (参考文献[6])
 2022年現在、IoT エリアネットワークは完全に全ての地域で利用可能な状態ではありません。 ご自身の地域にどの IoT エリアネットワークが対応しているかは、 Sigfox ではサービスエリアからご覧いただけます。
 ご自身のエリアが対象でない場合、基地局の導入もしくは簡易基地局のレンタルに申し込みましょう。 また、ネットワーク導入の場合特定の目的のデバイスの利用のためだけでなく、 地域への導入が期待できる IoT デバイス、アプリケーションの総合的なロードマップの作成が必要です。
総合行政ネットワーク ( LGWAN )
自治体に所属の皆さまは、 職場で利用するインターネットは総合行政ネットワークから他のネットワークにつながっている場合が多いでしょう。
 総務省から提言された「自治体情報システム強靱性向上モデル(参考文献[7])」にて 明示されていますが、 今後のマイナンバーカードの積極的活用を考慮すると、更に個人情報保護のためのセキュリティを高める必要があります。 しかしながら、あまりにもセキュリティが高く、業務内で生じる情報検索や、 テレワークへの支障(参考文献[8])が発生しています。
 そこで、
  • 個人番号利用事務系
  • LGWAN 接続系
  • インターネット接続系
と利用用途にわけることによって円滑なインターネット利用を行う環境の構築が求められています。
ソフトウェア
先端サービスにおいては人が利用する際にアプリケーションが用意されていますが、 そのアプリケーションを利用するための OS( Operation System:オペレーションシステム)のバージョンが決まっている場合があります。 Windows をお使いの方は Windows OS、Macintosh をお使いの方であれば Mac OS 、 またこれら PC のバージョンだけでなく、タブレット、スマートフォンについても管理が必要です。 例えばこれらの OS のバージョン管理はこまめに行い、必要な際に使用できる状態にしておきましょう。
IT 人材
本項目では、地域のスマート化の重要なキーパーソンとなる IT 人材の必要性、 そして育成の手段についてご紹介します。
経済産業省の「第1回 デジタル時代の人材政策に関する検討会」資料、 「経済産業省 我が国におけるIT人材の動向PDF」 では、IT 人材の重要性、また確保の難しさについて論じています。
日本は、欧米等と比較して、IT 人材が IT 関連企業に従事する割合が高く、ユーザー企業に従事する割合が低い状態にあります。 東京の IT 関連産業(情報通信)企業への集中も顕著な状況であり、IT 人材の東京の IT 企業の集中がしているため、 地域のデジタル化を推進する IT 人材の不足は課題です。
しかしながら、今後の IT 基盤を活用した地域づくり、スマート化を考えると IT 人材の育成や確保は 必須であると考えられます。
STEAM 教育
このような背景のもと、文部科学省では「 STEAM 教育等の各教科等横断的な学習の推進」( 参考文献[10])として以下の内容を発表しています。
AIやIoTなどの急速な技術の進展により社会が激しく変化し、 多様な課題が生じている今日、文系・理系といった枠にとらわれず、各教科等の学びを基盤としつつ、 様々な情報を活用しながらそれを統合し、 課題の発見・解決や社会的な価値の創造に結び付けていく資質・能力の育成が求められています。 文部科学省では、STEM(Science, Technology, Engineering, Mathematics) に加え、芸術、文化、生活、経済、法律、政治、倫理等を含めた広い範囲でAを定義し、 各教科等での学習を実社会での問題発見・解決に生かしていくための教科等横断的な学習を推進しています。
このように新しい教育形態の登場とともに、IT 人材の育成が期待できます。 地域において必要なことは STEAM 教育の学びの場の提供、 またその先にある雇用です。雇用創出を行うことで定住人口の確保、また移住政策における雇用創出にも繋がります。
STEAM 教育教材
STEAM 教育を知る、教材を得るための参考となるサイトご紹介します。 またAnastasia STEAM では、
  • Anastasia を利用した STEAM 教育による地域づくりのプレイヤーの育成
を目的した地域課題解決型人材育成の STEAM 教材を展開予定です。 STEAM 教育で学んだ内容を実社会の課題解決に使用し、 実社会からのフィードバックを受ける、といった循環を形成し、 学びと生きる力を身につけることを目的としています。
学び直しとしての STEAM 教育
2022年現在、初等教育、中等教育、高等教育において STEAM 教育が推進されていますが、 Anastasia や他の IT 基盤を利用した地域のスマート化のプレイヤーはその地域に住まう全ての 地域づくりに参加を希望される住民の方々であると考えます。
既に特定の技能をお持ちの方々が多いと思われますが、 それらの技能とデジタルが結びつき、業務改善、効率化、生産向上といったプラスの効用を、 住民の方、また地域に還元されていく、ということが目的です。
農業と STEAM 教育を例に挙げます。
  • S・M( Science:サイエンス、Mathematics:数学)- 農業関連のデータを用いてある一定のパターンを検出する。 具体的には高い収穫量が期待される刈り取り時期の予測や、高温障害の検知などが期待できます。
  • T・E( Technology:テクノロジー、Engineering:エンジニアリング)- ソフトウェアのテクノロジーとしては、 プログラミング言語を用いて自身が必要なシステムやアプリケーションの開発を行う。 ハードウェアのテクノロジーとしては、自身が必要なデバイスを開発する、といった自身が必要な 技術は自身がある程度構築することが期待できます。
  • A( Art:アート)- デザインに近しい内容となりますが、ダイレクト販売を行う場合はパッケージ、 自身の Web ページ、SNS のデザインなどが必要となります。アートというと敷居が高いですが、 顧客とのコミュニケーションにおいてはデザインが必要となりますので、自身で行う、またある程度形にして、 プロに発注する能力などを身に付けることが期待できます。
こういった業務の中での活用に置き換えてみると、恐らく自分では難しいので出来ない、 高額な金額を払って業務を依頼するしかない、からある程度は自分で行ってみよう、という気持ちになられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
学び直しとしての STEAM のにおいては、一から自分が構築する必要はなく、 便利かつオープンなツールを利用して自身の行いたいことを 入力し、モックアップ(デザイン段階の試作品)やプロトタイプ(試作品) を作ることを主眼とし、業務改善や地域社会での活用が必要だと考えています。
Anastasia STEAM では地域課題解決のプレイヤーの育成のために、 学び直しのための STEAM 教材を展開しています。
まとめ
サービスの導入には、その土台となっているハードウェア、ネットワーク、ソフトウェア の整備が必要となります。 クラウド化が進み、自身で整備せずとも利用可能な環境が整いつつありますが、手元で利用する際には IT 資源が欠かせません。また、これらを管理するための人材「 IT 人材」も重要です。 これらの資源に関する情報の整理、管理、また IT 人材の育成をセットで地域の資源として捉えていくことが求められます。
参考文献